
◆一言法話◆
まもなく梅雨を迎えます。
雨が降ると、水滴が屋根を流れ、軒先から落ちて「ポトリ」「ポトリ」と音を立てます。この音を皆様はどのようにお聞きになりますか。
道元禅師は「聞くままに また心なき身にしあれば おのれなりけり 軒の玉水」という和歌を詠まれました。
軒から落ちる雨音を、何の雑念も好悪の判断もなく無心のままに只ひたすらに聞く。それにより自身の価値観や自分のものさしから離れ、自己と対象とが一体となった世界が現れる。
この軒の玉水は私自身でもあり「ポトリ」「ポトリ」と私自身が落ちているというのです。
雨が多いこの時節、祖師方のみ教えに触れてみては如何でしょうか。
【曹洞禅メルマガ 第15号】 より
私たちの体自体のほんとうの機能、耳は音を、目は目前の事象の像を、皮膚、舌、鼻も各々がそのままの状態を捉えております。そのままがそのままで、手付かずにしておく。それをこれは雨の音とか、風の音とか色を付け加えと、駄目ですよと道元禅師鼻申されているのです。大満 光和尚 記す